成長を続ける企業に欠かせないポイントは?日本の職場に最も足りない要素はオープネス(開放性)だった。
突然ですが、職場において次のようなことで頭を悩ませたことはありませんか?
・高い成果を出し続けるには、組織の"何を"変えればよいのか?
・今の職場をよくしたいけど、”自分できること”は無いのか?
・職場のメンバーが楽しく出社できるようにするにはどうすればよいのか?
今回は北野唯我さん著書の『OPENNESS 職場の「空気」が結果を決める』を参考に日本企業の業績にマイナスのインパクトを与えてしまっている要素の1つである「オープネス(開放性)」についてご案内いたします。
会社で働いていると、さまざまな疑問が生まれますが、結局のところ大事なのは次の2点です。
- その組織戦略は業績にも好影響があるのか?
- その組織は働いている人が求める『期待値』を越えられているか?
職場で働く経営者や従業員は職場に対してさまざまな「期待値」があります。行きつくところ、組織戦略とはこの期待値を越えるために最善策を練ること、そして、それを業績に反映させることです。
職場の空気が業績を決める
そもそも従業員は何をコミット(約束)して働いているのでしょうか?
事業・・・どんなビジネスをするのか
場所・・・どこで働くのか
組織・・・どんなチームで働くのか
現在はVUCA時代と言われ、昭和と比べ変動性が高く、不確実で複雑、さらに曖昧さを含んだ社会情勢となっています。
つまりは、事業の寿命が短くなるということです。また、働く場所にも捕らわれずに仕事ができる時代へと変化しています。
Volatility(ボラティリティ) | 変動性 |
Uncertainty(アンサートゥンティ) | 不確実性 |
Complexity(コムプレクシティ) | 複雑性 |
Ambiguity(アムビギュイティ) | 曖昧性 |
そうなると、これまでと違い、組織に対する比重が相対的に高くなってきました。よって経営者は組織へのコミットメントを以前より強化しない限り、事業の方向転換に対応しずらくなったのです。
これが、グーグルなどの従業員エンゲージメントをとことん追求する人事戦略が、世界的に注目を浴びるようになった構造的な理由です。
ただし、付け加えておきますと、決して「組織 > 事業」となったわけではありません。人事戦略の比重が高くなってきましたが、それ以上に重要なのは事業です。社会的に意味のあるサービスや製品でなければ企業は成り立ちません。
あくまでも、企業の成長に欠かせない要素として、「職場環境」の比重が高くなってきたということです。
オープネスとは
では、どうすれば職場環境をよくすることが出来るのでしょうか。それは職場のオープネスを高めることです。結論から申し上げますとオープネスは次の要素で決まると本書では定義されています。
①経営開放性 | 経営者が社員にどれだけ情報を開示しているか |
②情報開放性 | 従業員が、自分の仕事を進める上で、十分な情報が容易に取得できるか |
③自己開示性 | 従業員が自由に意見を述べることができ、他者から攻撃を受けないと信じている割合 |
では、①~③の具体的な高め方についてご案内していきます。
経営開放性
経営開放性の最も重要な要素は、「従業員が経営陣を信じ、失敗を恐れずに挑戦することができる環境を構築できるか」ということです。そのためにも、経営理念やビジョン、個人的に大事にしていることなど、従業員が気になる情報を開示していくことが大事です。
また、裁量をもって働いてもらうには、「経営陣の失敗・そのときの解決策」を公開することも重要です。経営者やリーダーが口では「失敗を許す」と言っても、メンバーのほとんどは「とはいえ、本当に失敗したら許されないだろう」と思います。
ですので、これを最もわかりやすく解決する方法は、リーダー自身が過去の失敗を、メンバーと共有することです。
情報開放性
情報開放性を高めるには3つの方向性があります。
①印象性を高める・・・戦略に対して、わかりやすく”印象的に残る形で”伝わっていると思えること |
戦略の説明は、「網羅的であること」が重要だと思われている面もありますが、それよりも重要なのはその戦略が「覚えやすい形」で「印象的であるかどうか」です。事業戦略の中には、現場のメンバーには言えない情報もあります。その際、重要なことは「わかりやすいかどうか」「ひと言で言えるかどうか」。つまり、”印象性”が大事なのです。 |
②アクセス性を高める・・・アクセスしたい情報が”大きな苦労なく”手に入れられること |
ある企業では一部の機密情報を覗き、従業員が望めば、社員や社長の給与ランクや、経営会議でのやりとり、ディスカッション内容など自分がみたいものには全てアクセスできます。この際も大事なことは「情報の網羅性」ではなく、“手軽さ"です。人はわざわざ労力をかけてまで正確な情報を取りに行くほど、情報への意識が高くありません。例えば、過去の資料などは、国立図書館に行けば、ほとんど残っていますが、わざわざそこまでする人はごくわずかです。 |
③質疑性を高める・・・上司や他の部署に対する質疑が”公開された場”で行えること |
ある企業では質疑応答に対して必ず守っているルールが2つあります。1つは「公開された場で質疑をすること」、もう1つは「現場に質問責任を求めること」です。例えば、経営陣からすると、仮に説明責任を果たし、できるだけ情報をオープンにしたいと思っていたとしても、人によってその情報への興味や必要性は大きく変わります。組織が大きくなればなるほど、情報の均一性はどうしても下がります。その際に大事なのは「情報をオープンに伝えること」に加え、やり方の部分です。“説明責任と質問責任は2つでワンセット"ということです。 |
自己開示性
北野氏は一人ひとりがもつタレントを「3つの才能」として定義しています。
C(Creativity:創造性)+R(Re‐Productivity:再現性)+Sy(Sympathy:共感性)
新規事業をつくる際に最も必要な才能は「創造性」であり、事業が順調に滑り出し始め、拡大させるには「再現性」が必要です。さらに事業が拡大していくと、組織は必ず居心地の良さといった「共感性」を必要とします。
事業が大きくなればなるほど、「言われたことをきちんとやる人間」へのニーズが高まります。このフェーズではある程度創造性を犠牲にしながらも、再現性を高めていかなければなりません。
要するに、「ある程度、人々の創造性を犠牲にしながらも、人々がイキイキと、かつ生産性高く働ける環境をどうつくるか」を考えることが必要ということです。
業務プロセスを改善し続けるための習慣を設計することやメンバーのモチベーションの源泉を知る努力をすることが大事でしょう。
まとめ
時代の変化と共に、求められる職場環境も変わっていきます。過去の日本は、ピラミッド型組織によく見られる、指示系統が上位下達なコミュニケーションが一般的でした。しかし、変化の激しい昨今では、あらゆる立場の人が意見を出しやすい、フラットでオープネスな職場環境が、事業を成長させる重要な要素へと移り変わりました。なぜなら、個人の才能を発揮できる環境が、新たな革新を生むからです。
ここでオープネスな職場環境を支えるツールとして「Beat Shuffle」をご紹介させていただきます。
Beat Shuffleは社内の人同士がオンライン上で交流ができる『社内SNS』ツールです。
お客様の用途によって自由に機能をお使いいただけますが、次のような使い方が可能です。
【全社お知らせ機能】
経営陣が考えるビジョンやミッションなどを全社に対して発信することができます。メンバーは、投稿された内容に対して質問や意見を気軽にでき、フラットな組織づくりに有効です。
【Q&AやWiki機能】
企業で働いていると「この場合はどうすればいいの?」など、業務中にさまざまな疑問が生まれます。そんなときは、Q&A機能を使って全社へ質問をしたり、社内掲示板として利用できるWiki機能へガイドラインやマニュアルを用意しておくと、手軽に必要な情報へたどりつくことが可能です。
【コミュニティ機能】
誰でも自由にコミュニケーショングループを作成することができます。新しいアイデアを募集する意見箱を設置したり、他部署の業務内容の把握も容易です。また、仕事中の「ありがとう」を伝えることで「思いやり」を醸成することにも役立ちます。
動画
オープネスについて動画でも紹介しています。ぜひご視聴ください。
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