職場の心理的安全性の作り方!安心こそが生産性を高める秘訣。

心理的安全性とは

心理的安全性という言葉が登場したの1965年のこと。もとは組織に使われる言葉でした。その後、ハーバード大学の教授を務めるエドモンドソンがチームに応用し、「対人関係のリスクをとっても大丈夫だ、というチームメンバーに共有される信念のこと」と定義しています。

さらに、Googleが「生産性が高いチームは心理的安全性が高い」という、4年をかけて実施した社内調査の結果を発表したことで注目を集めました。

心理的安全性が高いチームとは目指すゴールや成果のために「健全な意見の衝突」を起こせるチームです。人間関係の悪化を意識し、言うべきことが言えない状態では心理的安全性が高いとは言えないでしょう。

この記事では心理的安全性の高め方についてご紹介させていただきます。

何よりも「人間関係」が安全性の基本

組織に限らず、多くの人が「何かをしよう」というときに、後まわしにされがちなのが、人との関係性です。

ここである研究結果についてご紹介いたします。

これはアメリカの従業員がどのくらい「働く喜び」を感じているかという研究結果をまとめたものです。

従業員が仕事に対して感じている充実感や就業意欲のことを「ワークエンゲージメント」と呼び、これが高まると、従業員の幸福度が高まるります。

グラフを見ると、「職場の関係性がよくない人」は10%しか、「仕事が楽しい」と感じられていません。一方、「職場の関係性がよい人」は49%と、ほぼ半数の人たちが仕事を楽しめているのです。この2つの差は、5倍近くあります。

そのくらい、職場の人間関係とワークエンゲージメントは影響し合っているということです。

自己効力感を高めよう

自己効力感とは、目標を達成するための能力を自らが持っていると認識することを指します。簡単にいえば、「自分ならできる」「きっとうまくいく」と思える認知状態のことです。

人は何かに挑戦しようとするとき、「やればできる」というおもいだけでは、「できない可能性があるもの」には立ち向かわなくなってしまいます。「やればできる」という気持ちには、その人自身の過去の成功体験が大きく関係しているからです。

その経験がほとんどない人や若い人は、何かに挑戦するにも不安ばかりが先立って、なかなか行動に移れなくなってしまします。

また、誰もが未経験のことが次々と起こり、世の中の価値観も猛スピードで変わっていく今の世の中では、過去の経験が役に立たないことも多くなっているでしょう。

ですから、いま必要なことは「やればできる」ではなく、自信がなくても、不安があっても「やってみよう!」と思え、行動できる力です。

メンバーの自己効力感を高め、チームの心理的安全性を高めるために大切なことは「プロセスフォーカス」です。これは、相手が行動したときに、能力や結果でなく、そのプロセス=努力や行動に注目していく声がけです。

自己効力感は、毎日の何気ない声がけで一瞬にして高まります。

ぜひ、7つの「プロセスフォーカス」を実行してみてください。

  • 能力より行動にフォーカス
  • 結果より過程にフォーカス
  • 正しさより勇気にフォーカス
  • 比較より成長にフォーカス
  • 事柄より気持ちにフォーカス
  • 失敗より成功にフォーカス
  • 弱みより強みにフォーカス

自律性を高めよう

自律性とは自分の規律に従った行動を自分で決めて、自分で動いていくことを言います。 すなわち、「やるかどうか」、そして「どうやるか」まで自分で決めることです。

「自律性が高い人」とは、全体を見て、まわりや自分の幸せや成長に役立つと思うことを自分で決めて、それをやっていく人を指します。

人は面白くて夢中になると、調べものをしたり、工夫したりするうちに、どんどん楽しくなり、人に言われなくても自分でもビックリするくらい多くのことをこなしてしまうことがありますよね。

心理学用語でこれを「フロー体験」と言います。このフロー体験は、自立性をとても高める状態です。

職場でフロー体験を起こすための条件をあげると次の3つとなります。

① 課題のレベルとその人のスキルが、ギリギリのところで釣り合っている
② 明確な目標がある
③ 迅速なフィードバックがある

①についてはチームメンバーが、なんらかの課題をこなすとき、今あるスキルより少しだけ高いレベルの課題を用意します。②では、「いつまでに、何をする」など、明確な目標を設定。そして③では、本人がその目標に近づけていることがわかるようなフィードバックを用意してあげるといいでしょう。

まとめ

心理的安全性が高いチームはメンバー1人ひとりがのびのびと個性を発揮しながら仕事ができる状況です。そのためには、何よりもチームメンバー同士が信頼し合うことが大切です。ぜひ、チームメンバーが安心して働けるように、日頃の声がけの仕方を意識していただければと思います。

心理的安全性の高め方については動画でも紹介していますのでよろしければご視聴いただけますと幸いです。

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