ウェルビーイング経営とは?今注目される社員一人ひとりの健康経営について
ウェルビーイングとは
ウェルビーイングが初めて言葉として登場したのは1948年に設立された世界保健機構(WHO)の憲章です。
「健康とは、単に疾病や病弱な状態ではないということではなく、身体的、精神的、そして社会的に完全ですべてが満たされた状態である」と定義づけられたなかの「満たされた状態」がwell-beingという英単語です。
身体的、精神的、社会的に良好な状態を広い意味で健康といいます。つまり、狭い意味での心身の健康だけでなく、心の豊かな状態である幸福と、社会的に良好な状態をつくる福祉を合わせた、心と体と社会生活においてより良い状態がウェルビーイングです。
注目されるウェルビーイング経営
なぜ今ウェルビーイング経営が注目されているのでしょうか。それは、人材の流動性、働き方改革、価値の多様性といった、企業が現在直面している課題をまとめて解決できるからです。
ウェルビーイング経営によって「やりがい」や「絆」を感じられる環境をつくることで、人材の獲得や定着力、企業の継続的成長につなげることができます。
時代は個人の価値観と多様性を尊重する時代となりました。ウェルビーイングな状態(身体的、精神的、社会的に満たれた状態)の社員は生産性が1.3倍、創造性が3倍になるという研究結果もあります。
このようにウェルビーイング経営は企業としての継続性、成長性がかなえられ、従業員のやりがいを満たすことができると考えられます。
ウェルビーイング経営に欠かせない4つの因子
ウェルビーイングについてはさまざまな研究が発表されています。
その中の1つに慶應義塾大学大学院教授の前野 隆司氏が提唱する4つの因子があります。
1つ目は、「やってみよう」因子です。
やりがいや強みを持ち、主体性の高い人は幸せということを表す因子。
2つ目は、「ありがとう」因子です。
つながりや感謝、あるいは利他性や思いやりを持つことが幸せであることを表します。
3つ目は、「なんとかなる」因子です。
前向きかつ楽観的で、何事もなんとかなると思えるポジティブな人は幸せです。
4つ目は、「ありのまま」因子です。
独立性と自分らしさを保つこと。自分を他社と比べすぎず、自分らしさを持っている人は幸せです。
4つの因子を高める方法
1.やってみよう因子
夢や目標を持つことは幸せに通じます。夢や目標について語り合うだけでも幸福感が高まります。
仕事をする上での不幸せな人は、気持ちが後ろ向きで、視野も狭く、仕事をやらされている感が強い人です。反対に幸福な人は、やりがいを感じ、将来を見据える視野の広さを持ち、ワクワクしながら働いている人です。
同じ仕事でも、視野の広さで後ろ向きに捉えるか、やりがいを感じるかが変わってきます。
視野の広い人は幸せで、視野の狭い人は不幸という研究結果もあります。ときめくためには視野を広く持ち、夢や人生の目標を明確にしておく必要があります。
2.ありがとう因子
つながりと感謝の因子です。対話することが幸福度を高めるでしょう。例えば、上司と部下が一対一で仕事以外の軽い相談や身の上話をするミーティングは効果的です。この場合に重要なことは傾聴です。相手の話をしっかり聞かずに途中で話をさえぎると、相手は満足感を得られません。相手の話を傾聴し、批判せずにじっくりと会話できる人は幸せです。
また、孤独は幸せの敵ですから、信頼できるパートナーや仲間、知人を持つことも大切です。何事に対しても深く感謝し、気遣いや思いやりを持って他者と接することができる人は幸せです。
3.なんとかなる因子
「なんとかなる」因子を高める方法の1つは、幸せであるように振る舞うことです。
上を向いて大股で歩くと幸せになるという研究や、胸を張ると幸福度が高まるという研究もあります。振る舞いは重要なのです。
言葉もそうです。ネガティブな言葉が先に出る人がいますが、ネガティブに考える人は幸福度が低い傾向があります。自分の欠点を気にするよりも、よいところを拡大する。他人の悪口を言うよりも、よいところを評価する。自分に対しても他者に対してもポジティブな見方をすることこそ、幸せに通じるのです。
4.「ありのままに」因子
「ありのままに」因子は、独立性と自分らしさを保つことです。
自分が他者からどのように見られているかを気にしすぎては、委縮してしまいます。自分を他人と比較してみても仕方がありません。
揺るぎない自分軸を持つこと、自己を確立すること、自分らしさを自覚することが幸せに繋がります。自己を確立するには、創造性を発揮するような何かに挑戦するのもよいでしょう。そして、自分らしい強みをみつけたら、それを高めていく努力をすることです。
まとめ
幸せの形はひとそれぞれです。全ての従業員がウェルビーイングな状態でいられる魅力ある職場づくりを目指しましょう。ウェルビーイング経営の始め方について動画で紹介しております。ぜひご覧ください。
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