職場の人間関係を改善するには?まずは自分をほめましょう!
人間関係が悪化している状態とは、相手との過去の出来事を自分の中で「嫌な記憶」としてしまっていることが原因です。
相手の言葉を「許せない」「腹が立つ」と感じてしまうのは、実はあなたの側に余裕がなかったり、相手に期待をし過ぎていたり、人間が本来は価値観の違う生き物であることを忘れてしまっていたりすることが考えられます。
人生は選択と決断でできています。
今日、自分はダメだと選択し考えた決断は、結果的に未来の自分を「ダメな自分」として継承してしまいます。そうすると人は「自分に自信を持てない自分」を生み出してしまうのです。
この「自信をもてない自分」の存在こそが、他者を受け入れられなかったり行動や発言を許せなかったりすることにつながり、人間関係の悪化につながります。
そして、日本人にとって「人間関係」こそが、一番の悩みであり、ビジネス環境でもプライベート環境でもストレスを感じてしまい、モチベーションの上がらない日々を送る原因です。
厚生労働省の「雇用動向調査」でも、「その他の理由」「定年」「会社都合」を除くと、男女を合算したランキングで「職場の人間関係」が一番の退職理由となっています。
そこで本記事では職場の人間関係を改善する方法として「ほめ育」の第一人者 原 邦雄さんの著書を参考に『ほめコミュニケーション』についてご案内いたします。
ほめるマインドをつくる
心理学者のF・フロム‐ライヒマンの言葉に次のような言葉があります。
「自分を愛する程度にしか他人を愛せない」
ほめコミュニケーションではこれを「自分をほめる程度にしか他人をほめられない」としています。
自分をほめる程度にしか相手をほめられないのであれば、まずは「自分ほめ」によって今のあなたが過去の自分をほめ、未来のあなたが自信を持てる状態にしていく必要があります。
ここで、自尊心を満たす三大欲求についてご紹介いたします。
人はそれぞれの言葉をかけられることで自尊心の三大欲求が満たされ、自分に自信を持ち、能力を最大限に発揮できるのです。
三大欲求 | 満たされる言葉 | |
1 | 自己重要感・・・自分を大切な存在として認めてもらいたい | 「ありがとう」 |
2 | 自己有態感・・・自分を有能な人として認めてもらいたい | 「すごいね」「成長したね」 |
3 | 自己好感・・・誰かから好かれたい | 「すきだよ」「好感が持てるよ」 |
人は「満たされる言葉」を言われることで自分が他者から必要とされる存在であることを認識し、かつ自分が有能であることを認められ、さらに好かれたいという欲求を満たすことができるのです。
ほめコミュニケーションにおいては「嫌な記憶」を「良い記憶」に上書きするために、ほめ言葉は「かけた側」が覚えておけばいい、というシンプルなものになっています。
「この人はこういう良い人だ」という良い記憶を増やすために、ほめコミュニケーションを使うからです。
過去に何があっても、上書きされた状態であなたの中で相手が「良い人」になっているのであれば、そのあとに多少のマイナスがあっても相手を包み込める心の余裕を持つことができます。
ほめコミュニケーションは自分や誰かを強制的に変える技術ではありません。代わりに記憶を上書きするので誰でも無理なく取り組むことができます。
対ビジネス相手との「ほめコミュニケーション」
ほめるマインドをつくることができたら後は実践あるのみです。一つ付け加えておきますと、人間関係を改善しなければいけないからと言って全員と”親友のような関係”にならなければならないわけではありません。
個々の相手に設定した「自分にとってちょうどいい距離感」をキープして、仕事上でスムーズに自分回りのコミュニケーションが取れればいいのです。
そのためにも次のステップを踏むことをお勧めします。
Step1 | 目的の共有化 | 商売には「お客様の課題を解決する」という共通のルールがあります。タスクは各々違いますが、みんな同じ目的で働いていることを認識することから始めましょう。 |
Step2 | 感情をニュートラルにして相手の行動や発言を見つける | 相手との感情をニュートラルにして次のポイントをみつけましょう。 ・自分よりも優れている「お客様を喜ばせている行動や発言」 ・部署やチームのみんなのために自主的にしている行動や発言 |
Step3 | 見つけた事実を顕在化させて良い噂を広める | Step2で相手の行動や発言を見つけたら、次にそれを誰かに伝えて、事実を顕在化させていきましょう。本人に対して直接行うのではなく、周囲の人に対して間接的に話をしたり、気になったことを聞いてみるのもよいでしょう。 |
Step4 | ほめたい感情が整ったら初めて言葉を伝える | いよいよ「ほめ言葉」を伝えます。ただし、これも無理に伝える必要はありません。タイミングは人によって異なりますので、“その瞬間”がくるまで待ちましょう。ある分岐点を超えたところで、人は自然とその人をほめたいと思えるようになるのです。 |
まとめ
プライベートな環境であれば、「嫌な相手とは付き合わない」、「苦手な相手とは距離を置く」という選択も可能でしょう。しかし、ビジネス環境においてそれはできません。嫌いな上司や話したくない同僚がいたとしても、コミュニケーションを取らないことで業務に支障をきたしますので何らかのコミュニケーションを取らなければなりません。
ぜひ「ほめコミュニケーション」を実践していただき、職場の人間関係の改善に役立てていただければと思います。ほめコミュニケーションについて動画でも紹介しています。よろししければご視聴ください。
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